(3) ラドン効果

 

 ラジウム温泉として有名な鳥取県の三朝(みささ)温泉を例にとって、もう少し詳しくその効果を述べてみましょう。ラドンは自然放射性核種で天然に存在する個体金属です。ラドンはラジウムが崩壊して生じる希ガスです。

  ラジウム温泉で療養することはこのラドンを吸うことにより療養効果を得ることになり、平安時代から営々と人々に愛され了されてきました。 三朝温泉の放射線量は1㍑(1000cm3 )当たり400ベクレルで温泉地の屋外の線量も周辺の農村地帯の2.4倍に達しています。この温泉の浴室内では2000~8000ベクレルだそうです。このレベルでも以下のような素晴らしい効果が報告されています。

 

 元岡山大学の御船博士を中心に大阪府立成人病センター、国立がんセンター研究所、近畿大学の共同研究で先ほど述べた37年間にわたる機関の統計解析を行い次のような結果を報告しています。

 

   三朝町の全住民をラドン温泉地域(3400人)と周辺農村地域(5500人)に分け1952年~1988年の死亡原因を統計的に解析、人口の年齢構成なども調整した上で比較がおこなわれました。それによると37年間の全がん死亡率は、全国平均を1.00に対して温泉地域が男0.54、女0.46そして周辺農村地域で男0.85、女0.77といずれも大差を示しました。さらに肺がんによる死亡率は男0.75、女0.187とさらに低位の死亡率を示しました。

 温泉地域では空気中のラドンの吸入が自然に行われることに加えて温泉地域では温泉水を飲む習慣があり、飲用による直接的な影響が大きいすい臓がん、胃がん、大腸がんが低かったことを研究グループは報告しています。 また、ラドン温泉ではない別府温泉での同じ調査では全国平均との死亡率の差はなかったので、ラドンががん死亡率を低下させる要因であることが強わかると思います。

 

   ガス状のラドンは半減期3.8日でアルファ粒子を放出して比較的速く崩壊していきます。また、アルファ粒子はエネルギーは高いが、透過性は低く、紙一枚、皮膚も通り抜けることはできない。 しかし、蒸気に溶けたラトンミストを吸い込むことにより血管に入り全身の細胞に働きかけることになる。また、空気中のラドンを吸い込むことにより鼻や口の粘膜を通して吸収されます。飲泉によって消化器から吸収する場合もあります。体内に入ったラドンは脂肪の多い副腎皮質や脾臓、中枢神経系、神経の髄鞘(ずいしょう)、赤血球などに集まりそれらの機能を結果的に活性化させます。そして、同じくがん抑制遺伝子を呼び起こし、活性化させます。結果活性酸素抑制酵素の増加、細胞のDNA修復力や免疫バランスの向上各種ホルモンの分泌量の増加、血中コレステロールや過酸化脂質の減少などの効果が見られます。これらの事からがんを含めた難病からの治癒がたくさん報告されているわけです。

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