(4)  良質なたんぱく質・ビタミン・ミネラルが活性酸素の害を減らし、がんと闘える体をつくる 。 

 

 今まで述べてきたように病気の原因の9割を占め、がんや動脈硬化を発症させる活性酸素を消し去るためにはまず最初に酵素群が活躍し、次に体外から取り入れたビタミンA,C,Eがその後をフォローし、同時にポリフェノールやカロテノイドなどのファイトケミカルが連携し合いながら活性酸素を撃退していきます。そして、がん細胞が成長してしまったがん患者でもあきらめることなく、がん細胞を消滅させるための免疫細胞を増やし、活性化させなければなりません。

 食事療法の最初の1~2年の第一フェーズは卵や魚、鶏の胸肉等はかなり厳しく制限しますが、私はその後はがんと闘う体を作るためにこれらの食材は大いに活用すべきだと考えています。

 プロティンスコア  の高い食材を並べてみます。(星印はわたしが食しているもの。バツ印は食さないもの)

  ◎  鶏卵   100

  ○  さんま  100に近い

  ○  鶏肝臓   93

  ✖  牛乳     85

     ○  鶏胸肉   84

  ✖  精白米   81

  ○  アジ    78

  ○  鮭     78

  ○  かつお    76

  ✖  チーズ   74

  ○  木綿豆腐  67

       △  小麦粉   56

  ○  トマト   51

  ○  ほうれん草 41

 

 動物性たんぱく質はプロテインスコアも高く、免疫力を高め感染症に打ち勝つのに必要ですし、がん細胞を攻撃する免疫細胞を強くし活性を高めるのにぜひある程度は質を選んで必要量は摂取したいものです。前にも述べたように私は卵は一日2~3個、そして鶏胸肉と魚は交互に毎日食しています。ただ、動物性たんぱく質を大量に摂取すると腸内でアンモニア、硫化水素、インドール、メタンガス、ヒスタミン、ニトロソアミンなどの毒性物質や活性酸素が生成されます。そしてアミノ酸の分解に肝臓や腎臓に負担がかかるそうですので、1日の摂取量を体重の1000分の1を守っていれば肝臓、腎臓に問題のない方でしたら心配ないと思います。上の私の動物性たんぱく質の摂取量でしたら全く問題なく、逆に足りないくらいだと思っています。そして、別の疫学調査で動物性たんぱく質を1日の摂取カロリーの12.5%を超える量を摂り続けると腫瘍の発生と増大が顕著になるようです。ですから私の場合は10パーセントを超えないようにコントロールすると同時に動物性たんぱく質を5%程にする日もあります。

 ただし星野ゲルソン食事療法を始められた方、又は日の浅い方はご自分の病態に合わせて星野ゲルソンのマニュアルに従うのが良いと思います。私も最初の1年半は修行僧のごとくマニュアル通りにただひたすら我慢の食事でした。

 

<コラム たまごについて>

 

 ここで鶏卵について一言。 卵は1個約80Kcalたんぱく質約8gです。3個食べてもご飯半膳でカロリーオーバーにはなりませんし、たんぱく質もせいぜい20g強です。

 卵にはシステインという含硫アミノ酸が豊富でこれが活性酸素のスカベンジャーの役割で活性酸素に自らの電子を与え、電子を失ったビタミンEへの電子の供給しビタミンEの役割を復活させます。それに加え卵にはスカベンジャーの第一バッターのSODを作る時の助酵素となる銅や亜鉛も含まれています。さらに卵白にはメチオニン、トリプトファンなどの働きによって体内の抗体を増やす効果があります。昔からある風邪に「たまご酒」は昔の人の経験からの知恵ですね。